近頃、ビットコイン支払い対応のお店もだんだん増えてきて、じわりじわりと社会や暮らしに浸透しつつありますね。
でも、ビットコインでお買物したり、誰かに送金したり受け取ったりするのって、どうしたらいいのでしょう。ビットコインを出し入れするためには、どこかに保管する場所が必要でしょ?と素朴な疑問が出てくると思います。
はい、その保管場所こそが「ウォレット(Wallet)」です。
ウォレットはその名のごとく「財布」を意味しますが、ビットコインには現物がありませんから、お財布というよりも、インターネットバンキングの口座のようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。
では、ウォレットにはどのような種類があって、どれが安心で使いやすいのでしょうか。
今回はウォレットの種類と特長のご紹介を通して具体的に比較していきましょう。
とその前に、「私、取引所で買ったまま口座に預けっぱなしですが。。。」という方もいらっしゃると思います。それでもウォレットは必要?と混乱してしまうかもしれないので、まず、そちらについて触れてからすすめていきますね。
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Contents
取引所の口座に預けっぱなしは大丈夫?
取引所で既にビットコインを購入して、預けっぱなしの方もいらっしゃると思います。取引所でもウェブやモバイルのウォレットを提供している所が多いので、そちらを利用されている場合もあるでしょう。
そこで、認識しておきたいのが、取引所でハッキング被害が起きたり、破綻するといった事態の時は、保有しているビットコインが消失する可能性があるということです。
ビットコインを大量消失させたマウントゴックス事件は元社長の不正疑惑で裁判中ですが、その後も2016年に香港の取引所「Gatecoin (ゲイトコイン)」でハッキング被害が起きています。そういった事件がこの先、起こる可能性はゼロとはいえません。
ビットコイン取引所に関しては、2017年から内閣府下で取引所は登録制になりましたので、さすがに破綻の心配はないと信じたいところですが、絶対大丈夫ともいえないところがあります。
もし、結構な額のビットコインを取引所に保有していて、しばらく値上がりを待とう、と寝かせて待つつもりならば、オンライン上ではなく、オフラインで保管された方がより安心安全です。
では、そのあたりを含め、詳しくウォレットについて説明をしていきますね。
ビットコインウォレット(wallet)は5種類
ビットコインのウォレットには、大きく以下の5種類あります。
- デスクトップウォレット(パソコン上の財布)
- ウェブウォレット(インターネット上の財布)
- モバイルウォレット(スマートフォン上の財布)
- ペーパーウォレット(紙に印刷された財布)
- ハードウェアウォレット(専用財布端末)
財布の種類ありすぎ!!いったいどれがいいのやらと思ってしまいますよね。では、ひとつづつ説明していきますね。
デスクトップウォレット(パソコン上の財布)
パソコン上でビットコインを保管するウォレットです。
- 「クライアント」とか
- 「ソフトウェアウォレット」とか
- 「デスクトップウォレット」とか
とも呼ばれていたりします。
デスクトップウォレットは、パソコンなどの端末にウォレットの専用ソフトウェアをインストールして、ビットコインを管理するウォレットです。
WindowsでもMacでも対応していて、インターネットに接続しているオンライン環境ではもちろん、接続をしていないオフライン環境でも利用することができます。自分でパスワードを管理できたり、カスタマイズの自由度も高いのが特徴です。
オフラインにしておくことで、ネット上のハッキング被害から守られるので、セキュリティに優れています。いわば、タンス貯金ですね。
では、デスクトップウォレットのソフトウェアをいくつかご紹介します。
Bitcoin core(ビットコインコア)
「Bitcoin Core」は、Bitcoinの公式クライアントのBitcoin.org が提供しているローカルウォレットです。
上画面は、Bitcoin.orgのビットコアダウンロードページですが、ページの下の方に、
「我慢が必要です!」というおもしろいメッセージがあります。
これは、ビットコインコアをインストールすると、過去のブロックチェーン(取引履歴)の同期が自動スタートして、そのデータたるや大量すぎて、同期に一晩以上かかってしまう場合があるからということです。しかも、PCの容量も食いまくってしまうという洗礼付き。
ダウンロードされる場合はPC環境を整える準備と「同期に我慢が必要です」ので、インストールは気長に行ってください。
セキュリティ面では優れているものの、他のソフトウェアに比べてセキュリティ対策のオプションが少ないという理由から、海外人気はイマイチとのことです。
Electrum(エレクトラム)
Electrum(エレクトラム)は軽量ビットコインウォレットです。Mac、Linux、Windowsで使えます。 ビットコインの他にも、Ledger Nanoなどの仮想通貨をサポートしていて、オフラインコンピュータでも使用できるのがポイント。
オンラインではなくオフラインで管理できれば、ハッキングの心配はありません。セキュリティはかなり強くなります。初心者でもわかりやすい仕様で、軽量であることが嬉しいところです。
Copay(コペイ)
Copay(コペイ)は主にスマートフォン用アプリを展開していますが、デスクトップ上でも利用可能です。オフラインコンピュータでも使用でき、ビットコインのセキュリティをがっつり守ります。
デスクトップウォレットのソフトウェア、Bitcoin Core(ビットコア)、Electrum(エレクトラム)、Copay(コペイ)の3つをご紹介しました。
ビットコアはビットコイン公式クライアントから提供されてはいるものの、PC容量と我慢が必要ってことなので、忙しいこのご時世向きではないかもしれませんね。
個人的には、Copay(コペイ)が便利かなと思います。スマートフォンアプリが主役であって、オフラインコンピューター対応の機能はおまけのような感じで展開してますが、それでも、スマホとPCオフラインどっちも使える一石二鳥感でプチ得気分を感じずにはいられません。
では、次にウェブウォレットについてご紹介します。
ウェブウォレット(インターネット上の財布)
インターネット上でビットコインを保管するウォレットです。
- 「ウェブウォレット」
- 「オンラインウォレット」
などと呼ばれたりしています。
ウェブウォレットは、オンライン環境で管理サービス会社が個人のビットコイン情報をまとめて管理するウォレットです。インターネットバンキングの口座のような感じです。
<メリット>
ビットコイン情報がウェブ上で管理されているので、パスワードさえあれば、どこからでも(パソコンでもスマホでもOK)アクセスすることができます。
外出先などからも送金などが行えるのでとても便利。万が一自分のパソコンが壊れてしまっても他の端末からアクセスできるので安心です。
<デメリット>
ウォレットの管理会社で個人情報を流出させてしまった場合は、ハッキングされてしまう可能性があります。セキュリティは弱めなので、通常のパスワードの他に「2段階認証設定」や信頼できるセキュリティソフトを併用したりして、安全対策に気をつかう必要があります。
<こんな目的の方におすすめ>
頻繁に少額のビットコインを出し入れを予定している方。
では、ウェブウォレットを提供しているサイトをご紹介します。
ビットコイン取引所・販売所のウォレット
ウェブウォレットの中で馴染み深いのが、ビットコイン取引所、販売所などが提供しているウォレットです。
各取引所のウォレットは機能的は似たりよったりですが、使い勝手に関しては、お好みがあります。アプリをいくつか触ってみて、しっくりくるウォレットを選んでみましょう。
取引所でビットコインを購入した場合、ウェブウォレットサービスを使えるので、便利ですが、取引所は最も多くのユーザーがアクセスするサイトです。最もハッキングに狙われやすい環境といえます。
信頼できるサイトのウォレットを利用するようにしましょう。
では、取引所のウェブウォレットをご紹介します。
coincheck(コインチェック)ウェブウォレット
上図は、ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引所と販売所を運営しているcoincheck(コインチェック)のウェブウォレットです。シンプルでわかりやすいデザイン設計です。
ただ、多額なビットコインや他の仮想通貨の保管にを気を付けましょう。coincheck(コインチェック)のサイトにも以下のようなコメントが書かれています。
ハッキングなどにより秘密鍵が漏洩する危険性があるため、大量のコインを保管する際には、ウェブウォレットは避けるべきでしょう。(coincheckサイトより抜粋)
投資は常に自己責任。ビットコインは中央銀行を介さない分、管理が自由ですが、何かあった時には資産は守られない場合もあることは認識しておきましょう。
個人向けウェブウォレットサービス
ウェブウォレットで最も有名なのが、BlockChain.info(ブロックチェーンインフォ)というサイトです。
ウォレットを作る場合は、パスワードを難解にしたうえで、2段階認証を行ってセキュリティを高めておくことが大切です。
ウォレットパスワードをグーグルやFacebookのパスワードと一緒にするのはNG!パスワードが盗まれやすくなります。パスワードが盗まれると、ビットコインも盗まれる可能性があります。セキュリティには十分ご注意を!
では、次にモバイルウォレットの説明にすすんでいきたいと思います。
モバイルウォレット(スマートフォン上の財布)
読んで字のごとく、スマートフォン上のウォレットです。iPhoneやAndroidに対応したアプリをダウンロード、インストールすることで使用できます。
近頃は、ウェブウォレットよりも、スマートフォンアプリの方が主流になってきているので、最も利用者が多いウォレットともいえるかもしれません。
<メリット>
持ち歩けるので、ビットコインを店舗で使用する場合にはとても便利です。
<デメリット>
ウェブウォレットと同じように、セキュリティは弱めなので、セキュリティ強化対策をしておくことが重要です。
では、支持の多いモバイルウォレットを紹介していきます。
取引所・販売所が提供しているモバイルウォレット
ビットコイン取引所・販売所が提供するモバイルウォレットのアプリを利用できます。bitFlyerやcoincheck、Zaifなど主要な取引所ではウォレットのアプリを用意していますので、ダウンロードして使ってみるのもいいでしょう。
ビットコインを購入した取引所なら、信頼感も親近感もあるので、同じ会社が提供するアプリなら安心できます。
取引所の提携店舗でのビットコイン決済は、提携取引所のアプリのみ対応という場合もあるので、いくつかのウォレットを作成しておくと便利です。
では、その他、人気のモバイルウォレットをいくつか比較してみましょう。
breadwallet(ブレッドウォレット)
breadwallet(ブレットウォレット)はアメリカの企業が運営しているモバイルウォレットです。日本語にも対応しています。ウェブのデザイン設計がわかりやすく、使いやすいアプリです。
<特徴>
秘密鍵をウェブ上ではなく使用端末に保存する仕組みなので、管理会社がハッキングされてもご自身で保管されているビットコインが盗まれる心配はありません。
ダウンロードはbreadwalletサイトから
※iOS・Android対応
Copay(コペイ):人気モバイルウォレット
Copay(コペイ)デスクトップ上でも利用可能ですが、スマートフォン用アプリをメインに展開しています。
<特徴>
ウォレット内でビットコインの売買が可能です。ただし、売買できる取引所は決まっていて、coinbaseとGlideraが利用できます。いづれも海外取引所です。
Copay ダウンロードはこちら
※iOS・Android対応
Mycelium(マイセリウム):人気モバイルウォレット
iosとAndroid対応ですが、日本語対応はAndroidのみになります。
<特徴>
breadwalletと同じように、秘密鍵をウェブ上ではなく使用端末に保存する仕組みです。管理会社がハッキングされてもご自身で保管されているビットコインが盗まれるリスクはありません。
ただし、ウェブのデザイン設計が緻密というか複雑で英語に慣れていない人には向きません。
Myceliumダウンロードはサイトから
※Android(日本語対応)ios(日本語未対応)
ペーパーウォレット(紙に印刷された財布)
「ペーパーウォレット」は、アドレスと秘密の鍵を印刷して、紙で保管する方法です。
<メリット>
ネット上に保管をしないので、ウェブウォレットやモバイルウォレットと比べて、高いセキュリティが期待できます。
<デメリット>
一度ペーパーウォレットからビットコインを引き出してしまうと、そのアドレスを再利用できなくなります。また、紙のお札と同じように、なくしたらおしまい。自己管理をしっかり行う必要があります。
<こんな目的の方におすすめ>
多額のビットコインを長期的に保管する予定の方。
紙や印字の劣化により秘密鍵が読み取れなくなる場合もなきにしもあらずなので、長期保管する時は、直射日光や高温多湿の環境を避けるよう注意が必要です。
ペーパーウォレットの提供元はbitaddress.orgが有名です。
では、最後に専用端末としてのウォレットをご紹介します。
ハードウェアウォレット(専用財布端末)
ビットコインを専用端末を使って、ビットコインなどの秘密鍵を管理、保管する方法です。USBメモリのような感覚で、PCやスマホに接続すれば簡単に使用できます。
<メリット>
オフライン環境で保管できるので、ペーパーウォレット同様、高いセキュリティを期待できます。
バックアップを確実にとっておきさえすれば、PCが壊れたりしても、ビットコインを消失することはありません。
<デメリット>
本体価格が案外高額です。導入にコストや時間がかかります。
ハードウェアウォレットは、アマゾンなどで購入することが可能です。3つご紹介しましょう。
Ledger Nano S (レジャー・ナノS)|ハードウェアウォレット
Ledger Nano S (レジャー・ナノS)は、ビットコイン&イーサリアムハードウェアウォレットです。
ウェブ上のウォレットや承認用のスマートフォンアプリ(iOS / Android)などの全てが日本語化されているので使い方がわかりやすいです。
Amazonで購入することができます。
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TREZOR(トレザー)|ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットとしては名が知られているTREZOR(トレザー)です。
また、TREZOR(トレザー)ハードウェアウォレットの場合パソコンにウイルスが感染していたとしてもビットコインを盗まれることがありません。
<特徴>
TREZOR(トレザー)は特殊なチップを内蔵していて、そのチップで秘密鍵をの管理をする仕組みなので、ウイルス感染の影響がありません。
また、TREZOR(トレザー)ハードウェアウォレットは、紛失や破損しても、24のパスフレーズを新しいTREZOR(トレザー)ハードウェアウォレットや他のウォレットに入力すれば、ビットコインを復元することができます。セキュリティが高く、ビットコインを安心して保管できるハードウォレットです。
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KeepKey(キープキー)|ハードウェアウォレット
KeepKey(キープキー)は、ミュージックプレーヤーのような風貌。とてもスタイリッシュで、セキュリティ性も高いハードウォレットです。
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まとめ
ビットコインウォレットには5種類あります。
- デスクトップウォレット(パソコン上の財布)
- ウェブウォレット(インターネット上の財布)
- モバイルウォレット(スマートフォン上の財布)
- ペーパーウォレット(紙に印刷された財布)
- ハードウェアウォレット(専用財布端末)
セキュリティが最も強いのは、オフラインで管理できる、ハードウェアウォレット、ペーパーウォレット、デスクトップウォレット。多額のビットコインを保管しておく時におすすめです。
ウォレット全体で比較するとセキュリティは弱めだけれど、インターネットバンキングのようにオンライン上で管理できて便利なのが、ウェブウォレットとモバイルウォレットです。
こちらは、少額のビットコインを頻繁に出し入れするのに向いています。店舗での支払いなどでは、持ち歩けるモバイルウォレットが便利。パスワードを難解にしたり、「2段階認証」を必ず設定するなど、できる限りのセキュリティ強化を行って使うことをおすすめします。
ビットコインのウォレット(財布)の種類はいろいろありますね。
取引所や販売所でビットコインを購入した場合は、そのまま取引所や販売所が提供するウェブウォレットやモバイルウォレットで管理するのが簡単ですが、セキュリティ対策は万全に。
売買をしばらくしないで寝かしておくつもりならば、ハッカーから身を守るためにも、オフラインで管理できるウォレットがおすすめです。
ウォレットも用途に合わせていろいろありますが、くれぐれも、大切なビットコインを消失しないよう、安心して保管できる環境でしっかり管理していきたいですね。
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