仮想通貨元年と呼ばれる2017年。9月は中国で取引所閉鎖のニュースやJPモルガンCEOのビットコインをクズ扱いするような暴言で、ビットコイン価格は一時に30%近く暴落。数日後にはまた20%以上戻して落ち着いてきました。
たった2週間の「ビットコイン乱高下劇場」はすざましいものでしたね。既にビットコインを持っている方は、8月に果てしない希望を見て、9月に絶望に浸っている方も多いのではないでしょうか。
でも、そんな嵐の中でもビットコインの取引を支えるブロックチェーンの技術は世界的に高く評価されいて、ビットコイン市場は明るいと信じる人々は、事業に参入する組織も少なくありません。
さて、本当のところはどうなのでしょうか。そこで、今回はビットコインの暴落の理由と原因をまとめてお伝えし、今後の価格のゆくえを探っていきたいと思います。
では、まずは、ビットコインの暴落のきっかけとなった報道をチェックしていきましょう。
※上図は「コインチェック」のチャート画面を加工しています。
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Contents
ビットコイン暴落を導いたニュース【2017年9月】
まずはビットコイン暴落をもたらした2大ニュース、中国政府が出した仮想通貨での資金調達停止指令と、JPモルガンCEOのぶっとび発言から。
中国政府がICO(仮想通貨発行のための資金調達)禁止を通達
ICOはInitial Coin Offeringの略。仮想通貨を発行するために資金を調達する行為を意味します。仮想通貨の開発前に開発するための資金を募ることですね。
中国政府は、かねてからそのICO実施者の中で、資金を集めたのに開発にお金を使っていなかったり、そもそも開発スキルがなく最初から開発する気がない詐欺まがいの存在の危険を指摘していましたが、9月4日に全面禁止の通達を出しました。
確かに、新仮想通貨「開発やるやる詐欺」は少なくないと聞きます。でも、いきなり通達はいかにも中国政府らしいですね。2013年にもビットコインの世界的な注目度と価格の高騰をうけて、銀行でのビットコイン取り扱い停止指令を出した例が蘇ります。
ただし、今回、暴落を導いた引き金となったのは、中国政府の規制の強まりをうけて、中国のビットコイン3大取引所が全て、取引所の閉鎖を決定したことです。「BTCチャイナ(ビットコイン・チャイナ)」が9月末、「OKコイン」と「火幣網」は10月末で閉鎖を明らかにしています。
日本でいったらcoincheck(コインチェック)やZaif(ザイフ)クラスの取引所が取引を辞めちゃう感じです。結構なダメージですよね。案の定、一時ビットコインの価格は20%以上値下がりしました。
取引所がなくなっちゃえば、取引できなくなりますからね、当然、今後はビットコイン売買をする場合は他を探す必要が出てきます。
中国では仮想通貨の取引が一気に減るので、ビットコイン取引を牛耳ると言われている中国の投資家は投資の機会損失となるため、ビットコインに資金が流れないのでは?という不安が広がってしまったわけです。
でも、世界的にビットコインを支持する人口は確実に増えていて、そんなことはない、ということがわかりますね。
次に、中国のニュースを凌ぐ影響力を持つことになった、あの方の発言について確認していきましょう。
JPモルガンCEO「ビットコインは詐欺」発言
「ビットコインは本物ではない。いつか終わる」
価格高騰は「チューリップバブルよりひどい」※
※17世紀オランダでの実情
上記は9月12日、アメリカ銀行大手JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)の発言。ダイモン氏は、「通貨は中央銀行が管理し、使用経路や用途を政府が監視するもの」として、通貨の在り方を指摘しました。
ダイモン氏は、国や中央銀行を介さないビットコインの価格高騰ぶりに辟易しているようで、ビットコインを「詐欺」と痛烈批判。一時的な暴落の引き金になりました。
それにしても、ダイモン氏の影響力って、すごいですね。大手銀行のCEOだから?でも、この発言には、裏付けとなるデータが含まれていませんね。憶測だけです。
メディア報道のカモにならないよう呼びかける記事もありますのでご参考に。
ビットコイン乱高下を煽りまくる報道で「カモ」にならないニュースの読み方ーーJPモルガン・ダイモン氏の例
そんな憶測発言を、黙って聞いている人ばかりではありません。
元JPモルガン幹部のAlex Gurevich氏はTwitterで、以下の反論をしています。
Jamie, you’re a great boss and the GOAT bank CEO. You’re not a trader or tech entrepreneur. Please, STFU about trading $BTC.
— Alex Gurevich (@agurevich23) 2017年9月12日
簡単に訳せば、「Jamie、あなたは立派なボスで愚かしい銀行のCEOです。あなたはトレーダーでないし、テクノロジー起業家でもありません。ビットコインのトレーディングに関しては黙っていてください。
ってな感じ?
このツイートには「いいね」が4233件、リツイート2000件以上ついてました。
ビットコインの価格は暴落後、既に40万円台に戻していまして、様々な反論を目にし、耳にしながら、胸をなでおろしているプチ投資家たちもいるのかな、と思ったりしています。私もそんな中のひとりです。
さて、中国政府の動きやダイモン氏の発言をよそに、明るく前向きなニュースもあります。
ビットコイン暴落に負けない明るいニュース
着々とビットコイン事業の準備をすすめている組織もありますよ。
GMOインターネットがビットコインマイニング事業に34億円
GMOインターネットは、2017年9月7日(木)に「仮想通貨の採掘(ビットコインマイニング)事業」を2018年上半期に開始することを発表しました。
ビットコインの入手方法のひとつとして、「マイニング」※と呼ぶ計算処理作業で報酬があがる仕組みがあります。最も早く計算作業を終了したマイナーにビットコインが与えられるためそこは競争になりますね。
GMOインターネットは、最先端の「7nm半導体チップ」を活用し計算能力を引き上げる戦略。再生可能エネルギーが可能な北欧に「次世代マイニングセンター」を設置するといいます。研究開発や設備投資などの支出予定は34億円以上。総額は非開示ですが、100億との噂も。
こちらはビットコイン消滅説を一蹴するようなプラン計画ですね。むしろ増幅説。勇気がわいてくるお話です。
一方、個人投資家では、ビットコイン価格の乱高下に連動した感情を味わっていた方がいました。
ビットコイン投資で希望と絶望を味わい尽くしたと語る常見陽平氏
livedoorニュースによると、評論家の常見陽平氏は「我がビットコイン敗戦記 希望と絶望、熱狂と興奮の日々に感謝」というタイトルの記事を書いています。
その内容はVALUで得たビットコインをきっかけに投資をはじめ、2か月で希望と絶望の両極を味わいつくし、撤退を決意したとあります。大きな含み益で夢を見た後、結局、4万円弱のマイナスで着地した模様。
全てを体験として価値を見出している常見氏はさすが評論家です。凡人の私は、常見氏のビットコイン物語を読みながら、私なら「あの時売っていれば。。。」と、過ぎた後の残念無念な気持ちでいっぱいになるどうろうな、と思ってしまいました。常見陽平氏記事
まとめ
- 2017年9月ビットコイン乱高下で将来性の予測が錯乱状態
- 一時的な暴落の理由と原因は2つ
- 中国政府が仮想通貨発行の資金調達禁止を発令で3大取引所が閉鎖を決定
- JPモルガンCEOの「ビットコインは詐欺」という暴言。
- 一方、暴言の根拠が薄く、反論も多く、価格は戻す。
- GMOは34億かけてビットコインマイニング事業に参入予定
ドラマチックな値動きの中、プラスにもマイナスにも注目されているビットコイン。ひとつの報道で右往左往はどの時代もどのジャンルも同じですが、都度、過剰に反応するのではなく、自分で判断する耳目を養いたいですね。
今回、JPモルガンCEOダイモン氏の暴言による値下がり時に、絶望と焦燥で、手持ちのビットコインを売ってしまった人も多いはず。その後、焦って買い戻したりしていたりするかもしれませんね。
一方、希望的観測で前向きな事業を予定している組織や個人もそれ以上にあります。
ビットコイン報道はまだまだ珍しき通貨(モノ)として扱われています。投資家は、傍観しながら根拠を冷静に見極めつつ、取引できるといいですね。
大手企業がビットコイン事業に着手しているビットコイン。今後、将来的にもっと利用インフラが整えば、価値のステージが上がり価格も上がっていくに違いありません。
もう少し長い目で、その成長を見守っていたい気がします。
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